⑰ 毛虫のいない夏

f:id:phorton:20191228170533j:plain

 うちの庭には桜の木があり、初夏から真夏にかけては毛虫の駆除が必要不可欠である。しかし今年はあまりにも暑すぎたせいか、毛虫がぜんぜん発生しなかった。

 例年であれば、八月になれば葉の大部分が食われているのだが、写真で分かるように、完全に葉が密集している 注意深く木を観察してみても、葉が毛虫に食い荒らされた形跡は見当たらなかった。

 毛虫は孵化したころは一枚の葉に一箇所に群生していて、成長してくると、葉から小枝に分散していくが、しばらくは同じ一本の小枝に共存していて、その枝の葉を食い尽くすまでは、お互いが遠くへ離れていかない。この時点までにその枝を切り落とせば、毛虫をまとめて駆除できる。

 わたしは薬剤を使いたくないので、毛虫の駆除はこの方法でおこなっている。

 しかし今年はあまりにも暑かったからなのか、毛虫の発生が確認できないので、一度も枝葉を切らなかった。

 それでも八月にもなれば、陰に隠れて見つけられなかった毛虫が食い荒らした枝葉があるはずだった。それが当然のはずだった。

 しかし今年はあまりにも暑すぎたせいなのか、それがなかった。こんなことは今までの経験からは有り得ない。

 実は昨年も毛虫の発生が極端に少なかった。初夏のころに一度、まだ葉に群生しているときに駆除しただけで済んだ。今年はまったく一度も枝葉を切っていない。駆除する側としてはラクでいいのだが、やはり不気味である。毛虫が発生できない気候というのは喜んでいいものではないように思う。

f:id:phorton:20191228170926j:plain